オウンドメディア
オウンドメディアとは、企業が所有する「自社メディア」のこと。近年、採用領域での活用が注目されますが、具体的には何を指し、どのように使われているのか、その背景とともに解説します。
ナイルの事例で見る実践オウンドメディアリクルーティング――マーケティング・広報の思考法で採用戦略をアップデートvol.3
「オウンドメディア」とは
「オウンド(=所有)」と「メディア」を組み合わせた言葉である「オウンドメディア」は、その名の通り企業や組織が所有する情報発信媒体を指します。具体的には自社発行の広報誌やパンフレット、カタログ、インターネットの自社Webサイト・ブログなどが該当します。
本稿では「採用における情報発信のための媒体」として捉えた場合について解説します。そうした場合、上記の例以外にも、自社開催のイベントや、採用を目的とした動画コンテンツなども含まれてきますが、ここでは特に、自社のWebサイトやSNS、そして社員による直接のメッセージ発信などにフォーカスしてその必要性について触れていきます。
そんな「オウンドメディア」によって発信する情報は、自社の製品やサービスの魅力を伝えるコンテンツ、自社の働き方や福利厚生をアピールする社員インタビュー、そして自社の理念を発信する代表のメッセージなど、企業の状況や目的によってさまざまなバリエーションが考えられます。
採用における「オウンドメディア」の必要性
近年、その「オウンドメディア」を採用活動において積極的に活用していく「オウンドメディアリクルーティング」という手法が注目されています。
その主な理由として、以下の3点が考えられます。
1. 求職者の情報リテラシー向上への対応
スマートフォンの普及などの影響から社会の情報化が一気に進み、知りたい情報を検索して収集・選別する行動が一般的なものとなりました。
仕事探しにおいても、求職者が気になる求人情報を見つけた際、その企業についてインターネットで検索し、詳細な情報を確認した上で応募をするという流れが一般的になってきています。
そのため、自社の伝えたい情報、正確な情報を求職者の方に見てもらうためにも、自社がしっかりと管理できる情報をインターネット上に持っておくことは不可欠と言えます。
2. 求職者の価値観の変化への対応
社会の変化に伴い仕事に対する考え方や働き方が多様化する中、給与や社会的地位だけでなく、働きやすさや社会貢献といった“意味報酬”を重視するなど、求職者の価値観も多様化し、自分らしさを実現できる仕事を選ぶというケースも増えてきています。
そうした変化に柔軟かつ素早く対応し、適切な情報を伝えていくためにも、自社主体で内容を選定して発信が行える「オウンドメディア」は欠かせません。
3. ミスマッチの防止
企業と求職者のあいだでお互いに求めるものがすれ違ったまま採用が進み、結果として早期退職につながってしまう「雇用のミスマッチ」は、企業の大きなコスト負担となるだけでなく、生産性を低下させてしまう恐れがあります。
そんな雇用のミスマッチを防ぐためにも、「オウンドメディア」での丁寧な情報発信が役立つことが期待されます。
情報発信において必要な考え方
「オウンドメディアリクルーティング」において心がけるべきは、自社が何を発信したいのか以上に「自社の求める人材が本当に欲している情報は何か」を考え、それを適切に発信することです。
それは「求職者目線での情報発信」とも言えるかもしれません。
「どんな会社なのかを知りたい」「社員がどんな働き方をしているのかを知りたい」「上司や先輩になる人たちのことを知りたい」「同じ業界の他企業との違いが知りたい」などなど、求職者が知りたいと思う情報にはあらゆるパターンが考えられます。
求職者の目線で「企業で働くに当たって知りたいこと」を考え抜き、そのニーズに対応する自社の特徴を精査しながら、適切な情報発信を心がけましょう。
監修:株式会社 人材研究所
◆「オウンドメディアリクルーティング」について、より具体的なイメージや実践方法についての理解を深めるためのコンテンツも併せてご覧ください。
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