年間300人が中途入社。ソフトバンクになぜ優秀な人が集まるのか

2019/02/14
年間300人が中途入社。ソフトバンクになぜ優秀な人が集まるのか

今、企業は採用難をどう乗り越えればいいのか。鍵を握るのは「オウンドメディアリクルーティング(詳しくはこちらから)」だ。自社メディアで十分かつ適切な情報を発信し、求職者のニーズに即した採用活動を展開することで具体的な成果を上げている企業が昨今増加している。業界そのものの変化が目まぐるしい中、2018年12月に東証一部に上場したソフトバンクの取り組みについて、同社人事本部 採用・人材開発統括部統括部長の源田泰之氏に聞いた。

年間300〜500人。キャリア採用をマルチチャネルで積極展開

こちらを向く源田さん
ソフトバンク人事本部 採用・人材開発統括部統括部長の源田泰之さん。1998年入社。営業を経験後、2008年より現職。新卒および中途採用全体の責任者。ソフトバンクグループ社員向けの研修期間であるソフトバンクユニバーシティ、後継者育成機関であるソフトバンクアカデミア、新規事業提案制度(ソフトバンクイノベンチャー)の事務局責任者。ソフトバンクユニバーシティでは、経営理念の実現に向けて社員への研修を企画し、社内認定講師制度などのユニークな人材育成の制度を運用。また、大学でのキャリア講義や人材育成に関する講演実績など多数。

──ソフトバンクでは中途採用を積極的に進めているとうかがいました。

2016年に「キャリア採用課」を立ち上げ、そこからキャリア採用に力を入れ始めました。それ以前は、辞めた人の補充という形で年間20〜30人程度の中途採用しか行っていませんでした。しかも、ほとんどがエージェント経由。

エンジニア6割、ビジネスサイド4割くらいの比率で、今は年間300〜500人ほどの方を採用しています。エージェント経由の比率は、2018年度上期で50%を切るほどに。

直接採用の割合が上がり、スカウトや媒体活用、リファラル採用、イベントやホームページを通じての応募が年々増えているのです。エンジニアを中心に、人材獲得競争が熾烈になっていることから、1つのチャネルに頼るのではなく、さまざまな採用チャネルを活用して採用活動に取り組んでいます。

「真の姿」を伝えるためにサイトをリニューアル

リニューアルされた、ソフトバンクの採用サイト

──2018年12月に採用サイトをリニューアルオープン(採用サイトはこちらから)。たくさんの社員のインタビューが掲載されています。以前との違いは?

ソフトバンクというと携帯電話のイメージが強く、例えば「エンジニア募集」と打ち出すと、ネットワーク構築とかシステム開発、バックエンドのサーバー管理などのエンジニアと思われがちです。しかし、近年はFinTech、IoT、AIなど、お客様により便利に使っていただける新しいサービスをさまざまな事業領域で展開していますし、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の出資先企業とのジョイントベンチャーも生み出しています。

そこで求められるエンジニアは、新規事業を一緒に作っていけるスキルを持った人。世界で成果を上げたビジネスモデルを日本に上陸させたり、高い技術を持っているグローバル企業と組んだりしますが、その際、日本向けにどのようにカスタマイズして展開するかを考えるエンジニアの役割は大きいのです。

そこで、採用サイトでは、ソフトバンクで働くということはどういうことか、ソフトバンクで働く人たちは具体的に何をやっているのかをリアルに伝えることを重視しています。

カルチャーを伝えることも大切ですが、それをメディア上で言葉だけで的確に伝えるのは難しい。だから、実際に働いている人を知ってもらうことが、結果的にソフトバンクという会社への理解を深め、カルチャーフィットにつながるのではないかと考えています。

掲載されているたくさんの社員やプロジェクト紹介

採用サイトでは積極的に社員やプロジェクトを紹介

──採用サイト以外で、キャリア採用で工夫していることはありますか。

転職を前提に動いている人へのアプローチだけでは対象範囲が狭くなってしまうので、潜在的な転職者層にもアプローチする仕組みづくりをしています。例えば、会社に来ていただき働き方やソフトバンクの技術、事業内容などを直接お話しするイベントを各部門にも協力してもらって開催しています。

ただ、ダイレクトメッセージで「来てください」と言っても、なかなか来てもらえません。弊社のAI事業担当者のトークセッションや最新技術の紹介などコンテンツを工夫し、転職を考えていない人でも自分のスキルアップにつながるかもしれない、と関心を持ってもらえるようにしています。

──採用サイトの募集要項を見ると職種がたくさんあります。それぞれ細かくジョブディスクリプション(職務記述書)や必須スキル、経験が書かれているのが印象的でした。

事業が幅広く複数に渡っているので、どういう職種なのか、どういうスキルが必要なのかを明確に伝えるために、できるだけ多くの情報を掲出しています。

ソフトバンクというと、ソフトバンクグループの会長兼社長である孫正義が象徴的なだけに、具体的な働き方とのギャップを感じる人がいるかもしれません。会社として持っている理念は1つでも、部門によってそれぞれ役割は違います。

特に「新規事業」を手掛けるビジネスサイドは華やかな印象がありますが、実際は地味な仕事も多くあります。面接、イベントなどでは、会社を必要以上に良く見せようとするのではなく、リアルな内容を伝えて入社後の「想像と違った」という誤解がないよう努めています。

転職が当たり前の時代、魅力的であり続けるには

インタビューにこたえる源田さん

──採用活動にあたって、今後の課題は何ですか。

通信・ネットワークだけでなく先端テクノロジーを使った新しいビジネスを行っていることをプロモーションすること。ソフトバンクで働くことがどういうことか、よりリアルに伝えること。この2つが大きなテーマです。

ほかにも候補者視点で見たときに、ジョブディスクリプションの見直しを考えています。詳細ゆえ、候補者を混乱させているのではないか、という懸念があるからです。

我々の事業が刻々と変化しているので、日々ジョブディスクリプションの内容が変わるポジションもあるほど。候補者にとって、もっと見やすいジョブディスクリプション、例えば候補者が持つスキルを入力したら適合する職種を表示する……などの工夫も考えていきたいですね。

チームで仕事をするビジネスマン
gettyImages

さらにもう1つ。社内におけるポジションと人材価値のギャップをいかに解消するかということです。例えば希少な技術や経験を持ったエンジニアは、人材市場における評価も高い。新規事業グループのメンバーとして採用したいと思っても、課長職以上の年俸を提示しないと来てもらえない場合があります。

そうすると、そのグループ内でのバランスが崩れる。個別に人材価値を考慮して適正なオファー、入社後のポジショニングなどの採用設計をしなければなりません。すでに、新卒採用も同じ報酬での採用を例外的にやめているケースがあります。

市場価値は日々変動することを敏感に感じ取りながら、最適な組織づくりに取り組んでいきたい。同時に、各事業部門が人事本部任せにならないよう、どのポジションにどういう人材が必要なのかに合わせた的確な採用ができるよう、各事業部門を巻き込んでいきたいと思います。

意外と思われるかもしれませんが、弊社の離職率はとても低い。カルチャーフィットした人材を採用することは、事業に直接的な影響を及ぼすので、今後も地道に適切なチャネルで採用活動を続けていきます。

「新卒、3年、3割」といわれるように、若年層の離職率は高く、転職は当たり前の時代。魅力ある人に来てもらうには、それだけ魅力のある仕事を提供できる魅力ある会社になることが本筋です。そうした健全な採用活動を行っていきたいと思っています。

制作:BUSINESS INSIDER JAPAN
※2019年2月12日 BUSINESS INSIDER JAPANに広告として掲載されたもの

https://indeed-omrj.com/post-0026
このページのURLをコピーする
URLをコピーしました。
PICK UP EVENT
Owned Media Recruiting AWARD 2022
Owned Media Recruiting AWARD 2022
オウンドメディアリクルーティングアワードは、Indeed Japan株式会社が運営する企業の採用の取り組みに賞を贈るアワードです。優れたオウンドメディアリクルーティングに取り組んでいる企業や団体を表彰します。
詳細・参加エントリーはこちら
おすすめのお役立ち資料 ダウンロードは無料!
【無料ダウンロード】オウンドメディアリクルーティング実践のための30のチェックリスト
【無料ダウンロード】オウンドメディアリクルーティング実践のための30のチェックリスト
オウンドメディアリクルーティングを実践する際に、自社では何ができていて何ができていないのか、をチェックするための30の項目を載せたチェックリストです。
詳細はこちら
無料でダウンロード!お役立ち資料
次に読みたい記事
企業インタビューの人気記事