サステナビリティ人材を惹きつけるブランディング。デロイト トーマツのオウンドメディア戦略

2022/06/15
サステナビリティ人材を惹きつけるブランディング。デロイト トーマツのオウンドメディア戦略

日本最大規模のプロフェッショナルファームとして、日本だけでなくグローバルにクライアント企業を抱えるデロイト トーマツ グループ。近年では、カーボンニュートラルの実現など、複雑化する社会課題を解決すべく様々な分野で存在感を示している。その企業姿勢を発信しているのが、「D-NNOVATION」などのオウンドメディアだ。

HRで採用を統括するデロイト トーマツ グループ マネージングディレクターの和田淳氏と、オウンドメディアの運営に携わる、同グループ シニアマネジャーの菊池幸代氏、同じくマネジャーの森有紀子氏に、Indeed Japanエバンジェリストの梶岡桃子が取材。オウンドメディアによる発信が、企業ブランディングや採用へどのように寄与するか聞いた。

デロイト トーマツ グループ シニアマネジャー 菊池幸代氏(左上)Indeed Japan エバンジェリスト 梶岡桃子(左下)デロイト トーマツ グループ マネジャー 森有紀子氏(右上)デロイト トーマツ グループ マネージングディレクター 和田淳氏(右下)
和田淳氏(右下)。デロイト トーマツ グループ マネージングディレクター。金融、化学品メーカー、コンサルティングファーム、ベンチャー企業などを経てデロイト トーマツ グループに入社。経歴のなかでも人・組織領域での経験が長く、現在はデロイト トーマツ グループ各社の採用を担うチーム全体を統括している。

菊池幸代氏(左上)。デロイト トーマツ グループ シニアマネジャー。金融機関を経て、デロイト トーマツ グループに入社。長年にわたり広報活動を中心に同グループのブランディング、マーケティング分野に携わる。現在は全事業横断の広報チームのリーダーを務め、報道機関対応を含めたグループの企業情報の発信を主導している。

森有紀子氏(右上)。デロイト トーマツ グループ マネジャー。マーケティング、ブランディングを専門として、国内大手メディア企業、外資系エンターテイメント企業などを経て現職。デロイト トーマツ グループのブランディングを推進するチームのリーダーとして、Thought Leadership、タレントブランディングなどOne Firmとしての活動を幅広く企画、推進している。

梶岡桃子(左下)。Indeed Japan。エバンジェリスト。ホスピタリティ業界、人材業界を経て、外資系小売企業に入社し、人事として新卒、中途、パートタイム、派遣、障がい者採用、チームマネジメントに従事。2022年、Indeed Japan株式会社にエバンジェリストとして入社。採用責任者、担当者に向けて、企業が抱える個別の採用課題に合わせたアドバイスや支援を行っている。

専門領域を連携させ、社会変革を支援するカタリストになる

デロイト トーマツ グループ シニアマネジャー 菊池幸代氏

梶岡 デロイト トーマツ グループ(以下、デロイト トーマツ)は、約1万5500人の専門家(以下、プロフェッショナル)を擁する日本最大規模のファームです。情報発信においては、コーポレートサイトだけでなく、複数のオウンドメディアを運営されていますね。

菊池 はい。私たちは、自らの役割を「経済社会の変革を加速するカタリスト(触媒)」と位置づけ、監査・保証業務、リスクアドバイザリー、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー、税務・法務、におけるプロフェッショナルが連携し、様々な専門性をつなげることで独自の価値を発揮、ご提供することを目指しています。

以前の情報発信は、それら各事業の具体的なサービス訴求が中心でした。今は、デロイト トーマツがグループとして目指す姿を伝えるために、当社のプロフェッショナルに着目した「D-NNOVATION」、企業活動に焦点を当てた「インパクトレポート」「DEIブログ」「CSRブログ」といったオウンドメディアによる情報発信を実施しています。また、2019年には主要法人を丸の内のオフィスに集約し、グループで動きやすい体制も整えました。

梶岡 これまでは比較的、各分野のビジネスがそれぞれで動いておられた。しかし、情報発信もオフィス環境もグループを意識し、デロイト トーマツが持つ総合力を訴求していくという動きに変わってきたということでしょうか。

菊池 そうなりますね。その動きを支えるために、私と森が所属するデロイト トーマツのコーポレート業務を行うデロイト トーマツ コーポレート ソリューション合同会社のC&I/BM部門で、オウンドメディアの運営を統括しています。

D-NNOVATIONに込められた決意
「D-NNOVATION」には、人や知恵、データなどをつなぎ、これからの社会にイノベーションを生み出す存在になるというデロイト トーマツの決意が込められている

各オウンドメディアで人と社会的インパクトに焦点を当て、求職者へも届ける

デロイト トーマツ グループ マネージングディレクター 和田淳氏
和田氏には、大阪からオンラインでご参加いただいた

梶岡 採用では、オウンドメディアで発信しているような社会課題、特にサステナビリティ分野に強い人材の採用に力を入れていると伺いました。採用チャネルなどについてお聞かせください。

和田 キャリア採用については、だいたいの割合ですが、7割が紹介会社経由で3割がリファラル採用や直接応募になります。採用数に関しては、キャリア採用が圧倒的に多いですね。ただ、ここ5年ほどは新卒、キャリアを問わず採用数を大幅に増やしています。

梶岡 となりますと、今後、オウンドメディアとの連携によって、採用でもケミストリーを生み出したいというところでしょうか。

 はい。たとえば、企業ブランディングの一環として立ち上げた「D-NNOVATION」では、私たちがカタリストの役割を果たすことで、社会の変革を支援するという思いや取り組みをインタビューし、ストーリーとして記事化しています。その最前線を伝えるために、「人(プロフェッショナル)」にフォーカスし、また、ビジネスパーソンの関心が高いタイムリーなテーマを扱うことも心がけています。その点が求職者にどう伝わるのか、ということになるでしょう。

菊池 企業ビジョンとともに、人材や地球環境問題に関わる取り組みをお伝えしている「インパクトレポート」では、2021年から掲げている「ウェルビーイング社会の実現」という目標に向けた活動に焦点を当てるなど、「社会課題解決」にもフォーカスし、表には出にくい「黒子」である私たちの仕事や施策を幅広く伝えています。

また、新聞や雑誌などのWebメディアとオウンドメディアの垣根がなくなりつつある状況を踏まえ、「DEIブログ」などのブログ記事は、最新ニュースをフックに1000字ほどのコンパクトなボリュームにするなど、読みやすさや面白さも大切にしています。

求職者とのタッチポイントを増やし、企業理解の向上を狙う

デロイト トーマツ グループ マネジャー 森有紀子氏

梶岡 オウンドメディアによる企業認知や採用活動への寄与について、期待感などをお聞かせください。

 デロイト トーマツは、相対的に上の世代の認知が高いため、新卒・キャリア採用の層を中心とした若い世代にリーチを広げていきたいです。ただ、ビジネスとして注力している「デジタル」や「サステナビリティ」といった分野に関しては、弊社で実施しているブランド調査の数値を見ると、確実に認知が広がりつつあるようです。

基本的にKPIは、インプレッションやPV数となります。オーガニック検索からの流入を増やすための工夫はもちろんですが、ソーシャルメディアなどでキャンペーンを打ち、それなりにPVも増えてきました。「社会にデロイト トーマツを認知していただく」ことに関しては、一定の手応えを感じています。

梶岡 若い世代からすると、重厚なイメージのデロイト トーマツと、ソーシャルメディアという比較的ライトなプラットフォームを介してつながることで、新鮮な印象になると思います。広告は継続的に展開されているのでしょうか。

 はい。ソーシャルメディア以外の媒体も含め、ターゲットに合わせたタッチポイントを活用しています。その効果もあってか、LinkedInの「TOP COMPANIES 2022(働きたい会社ランキング)」では8位に選んでいただきました。

和田 とはいえ、私自身の認識としてはまだまだ課題があり、企業名は知っていても、どんな仕事をしているのか知らないといった状況だと思います。タッチポイントを増やすことで、認知の度合いを深めていきたいです。

また、キャリア採用の場合、求職者ご自身の経験がデロイト トーマツで活かせるか否かは判断しづらいですよね。企業理解を深めていただき、「自分の経験が役立つかもしれない」と興味喚起につながり、転職先の選択肢に入る。そのような効果をオウンドメディアにも期待しています。

梶岡 認知を高めるだけでなく、もう一つ先のステップに進み、求職者が自分ごととして捉えてくれるようになる。まさに、オウンドメディアリクルーティングの大きな効果だと私たちも捉えています。

 特に訴求していきたいポイントの一つに、DEI(Diversity/多様性、Equity & Inclusion/公平性と包摂性)の推進があります。DEIは、革新的なアイデアや組織作りの源です。このようなデロイト トーマツ全体に共通し、注力するテーマに関しては、「D-NNOVATION」や「インパクトレポート」など、スコープやターゲットによって出し方を変えつつ発信しています。

梶岡 DEIに関わる発信には様々な切り口があり、将来に向けて企業としてどう取り組んでいるかという情報をしっかり伝えていく必要があります。切り口を変えて訴求できるのは、複数のチャネルをお持ちだからこそですね。

人事担当とブランディング担当が連携し、オウンドメディアを盛り上げる

Indeed Japan エバンジェリスト 梶岡桃子

梶岡 プロフェッショナル業界の採用競争も踏まえ、今後の展望についてお聞かせください。

 私たちは、気候変動やカーボンニュートラルといった社会課題を踏まえ、世の中の声を取り込み、企業価値を高めるための戦略からマネジメント全般にわたり支援しています。そのため、前述のとおりサステナビリティ分野の人材採用に注力しています。

さらに、2020年にグループCEOの直轄で「Climate Sustainabilityイニシアチブ」という活動を立ち上げ、コーポレートが一体となって活動をサポートするために、私たちブランディングを担うチームと和田の採用を担うチームとの接点も急激に増えてきました。ブランディング担当と人事担当との連携は難しいという話も聞きますが、こうした大きなテーマを共有することで一体感が生まれて連携もしやすくなると実感しています。

和田 オウンドメディアに関する私たちの取り組みは、まだ始まったばかりです。大手自動車メーカーなどの大企業が、何年も前からオウンドメディアに注力し、広告を打ち、社会の未来像を発信されている。私たちも様々な施策を継続していくことで、認知のますますの浸透を目指していくつもりです。

また、プロフェッショナルは業界内での転職が多いのですが、そのパイだけでは私たちが求めるボリュームに足りません。たとえば、コンサルティング経験はなくとも、事業会社でのマーケティング経験者などは有力な候補になるでしょう。「社会を変えたい、未来を創る」といった熱意を持つ人材を採用することも大切になってきます。

梶岡 直接的にプロフェッショナル業界の経験がない人材を採用していく場合、オウンドメディアによる情報発信や「自分の経験が活かせる」という理解につながる記事やメッセージが重要になってきますね。

私たちIndeedでも、オウンドメディアリクルーティングの実践プロセスの一つとして「ジョブディスクリプションの精緻化」をご提案しています。募集要項を簡潔に記載するだけではなく、「仕事の役割」と「必要な能力・経験」を具体的に記載することで、より求める人材に求人が届き、またマッチング精度も高まると考えています。お話を伺って、デロイト トーマツのオウンドメディアは、まさにその実践だと感じました。貴重なお話をありがとうございました。

欲しい人材との出会いを生む「ジョブディスクリプション」ついてはこちらへ

https://indeed-omrj.com/post-0188
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